きのみの Blog
2021/03/11 13:21
10年目の3.11の空
今年はコブシの開花が早いよう、
例年なら10日位あとのお彼岸の頃。
揺れが来た時、我家は薪の窯を焚いていました。もうすぐ1000度に届きそう、今夜から本格的に温度を上げて行く前ののどかな昼下がり。激しい揺れに薪が崩れ、窯の中も崩れとりあえず火災にならないように見守るしかできませんでした。
余震が続き咲き誇る木蓮の花越しに、揺れる屋根から落ちる瓦を見ながら、近隣の知人の家に子供達の安否を確認するべく走ったことを思い出します。
本当に地面が揺れ続いて怖かった。
そんな記憶がどこかにあるせいか
木蓮を見ると心がざわつき、あまり好きな花では無くなった気がします。
子供達が無事帰ってきて、父母や親戚など家族の安否が確認できて、ライフラインが戻ってきた頃に
我が家のコブシがほころび始め、少しほっと出来たのを思い出します。
そのせいかなコブシの花はいつ見ても安心感があって好きな花。
日常が帰ってこなかった沢山の被災された方々を思うたび胸が痛み、心からご冥福と復興と健康を願わずにはいられません。
震災から何年、、と数えることが当たり前のようになって思えば震災後にお菓子製造の許可を取ったきのみのもこの年末で10年という節目に。
暮らすようにお菓子を作ってきて、10年あっという間。
店舗を持たずにここまでやり続けられたこと、お客様や家族のおかげと本当に感謝しかありません。
大人になると失敗や人から怒られることが無くなってくるといいますが
先日の私、大きな失敗をして改めて初心に返り自分を反省したり見直したりの日々(ひとつ前の記事にも書いています)。
原因をひとつづつ探って、繰返し作り続け同時にいつも学びを忘れてはいけない。。と心から思わせて頂く機会にもなりました。
10年を駆け抜ける中で、どこかで自己流が過ぎることがあったり、SNSなど発信し続ける事に慣れて、必要以上の作業が増えていること、気持ちが行き届かない事、など見直すべきことも知ることが出来ました。
失敗は成功の母
簡単に言えることではありませんが、そんな風に言えるよう諦めずにコツコツとやっていきたいです。
本来の"シンプルに糧となるお菓子”を今一度見直してレシピを整理し、埋もれてしまったお菓子をまた焼いたり、増え過ぎたものを減らしたりしてゆこうと改めて思う10年目。
それから手付かずになっている
焼物(陶器のほう)もぽちぽち再スタートしていきたいと考え中です。
身体はひとつなので欲張らずできることを。
10年目の
うつわとお菓子
きのみの
続けてこれたことに本当に感謝
今後ともどうぞよろしくお願いします。
震災後、枯れて倒した根元から出てきた2代目コブシ。一輪ほころんだ3月11日の空を見上げて記しました。